第1章
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落胆を隠せない浩介は涙ながらに訴える。 「先生! どうか妻を助けて下さい。お願いですから……」 医師は浩介の強く握り締めた手を静かに外した。 「先生、妻はあとどれくらい生きられるのでしょうか?」 医師はその視線を浩介に向けると、真剣な表情で答えた。 「奥様は、あと二年、もって三年でしょうか……」 「あ、あと二年……」 余命を知った浩介だが、どうしても諦められずにいた。
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