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「──え〜と……」
「やだ!忘れちゃった?……私、高本 洋子。……真澄ちゃんとよく色んな悪ふざけしたじゃない!」
「──あ、あぁ、洋子ちゃん。ごめん、久しぶりだね〜」
「久しぶり〜。……真澄ちゃん、すごい綺麗になっててビックリしたよ!先生に名前呼ばれるまで気づかなかったもの」
そう言うと、洋子は真澄の顔を見定めるような感じで覗き込んできた。
咄嗟に真澄は、洋子の目線を遮るよう口に手をあて、違う話題を振った。
「洋子ちゃんは……その薬指にはめている指輪、もしかして結婚したの?」
「あ、ううん。まだ婚約中ってだけで、結婚は来年辺りにしようかな〜って。……それよりも、4年生だった真澄ちゃんは未来への自分に、何を書いてたの?」
興味津々な彼女はどうやら、他人のことを色々と探るのが好きなようだ。
真澄は少し面倒くさくなり、彼女に手紙を渡して勝手に読ませることにした。
「"15年後の……─────"……あ〜なんか、シンプルで、ちょっと変わった手紙なんだね」
洋子がその手紙の内容に少し戸惑っていた時、遠くのほうで洋子を呼ぶ声が聞こえた。
「ちょっと洋子〜!こっち来てよ〜」
「りんちゃん!わかった〜、今行くね〜。……あ〜、真澄ちゃん、今日は逢えて嬉しかった!じゃあ、呼んでいるから行くね」
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