悲しみを越えて

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私たちはいつも一緒だった。 小学生から高校まで。 高校受験の時も、お互いの家へ泊りに行って、夜通し勉強した。 絶対同じ学校に行こうねって。 念願叶って、同じ高校に通えるようになった。 合格発表の日は、二人で抱き合って飛び跳ねた。 おそろいのブレザーがうれしかった。 当然のように、仲良しグループには二人そろっていた。 放課後の寄り道も、夏休みも、クリスマスにお正月だって。 いつだって隣に君がいてくれたね。 お別れは突然だった。 朝起きて、ニュースをつけたら、君の訃報。 夜中に強盗が君の家にたまたま入って。 君はたまたまそれを見てしまって。 殺されて、家に火をつけられて。 何もかも無くしてしまったね。 修学旅行、一緒に行こうって言ってたのに。 大学も一緒だよねって約束したのに。 会社も一緒だったらいいねって笑いあったのに。 それなのに。
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