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わたしの通う幼稚園では、みんなわたしのこと頼りにしている。
朝のごあいさつもしっかりできるし、お歌だって大きな声で上手に歌える。お弁当も残さず食べるし、工作だって器用に作っちゃう。
ひらがなだってカタカナだって、もう簡単に読めちゃうんだから。
年長さんがいるわたしのクラスのひまわり組には、小さなグループがそれぞれあって、ウサギさんグループのリーダーも任されているの。
先生たちからも信頼されてるんだ。何でも自分から行動するし、かけっこが苦手なお友だちを励ましたり、転んで泣いてる子を助けたりもするってね。でもそれって、当たり前のことでしょ。
なかでも、イケメン先生のヒナト先生に褒められると、ちょっぴりテンション上がっちゃう。
お遊びの時間には、ヒナト先生にブランコで背中を押してもらったり、一輪車に乗る時は手をつないでもらったり。
だって、笑った顔がすっごくステキなんだもの。ずっと一緒にいたいって思っちゃう。
だから、いつだって泣き顔は見せられない。先生を困らせたくないもの。
それは、今だって同じ。ママが迷子になって、本当は一人ぼっちで泣きたいくらい淋しいけれど、わたしがしっかりしなきゃ、ママを見つけられないもんね。きっとママだって、淋しい思いをしているはず。
あんまり気は進まなかったけれど、仕方なくわたしは迷子センターへ行くことにしたよ、パパ。
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