ただ、君を思う

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今日は、私、谷崎星花の16回目、16歳になる嬉しい誕生日のはずだった。 どうして私が… 「おっはよ~!」 「おはよう。」 「はよ…。」 私の幼馴染みの渡辺優斗と、東乱蓮大が少しそわそわした様子で挨拶をかえしてくれた。 「あの…これ、誕生日プレゼント、よかったら。」 「…誕生日おめでと。」 「私に?ありがとう!ねぇ、あけてもいい?」 「うん。」 私はさっそくあけてみた。 「わぁ、これ手袋とマフラー?ありがとう!」 「お前、最近寒いっつってたろ。 …風邪ひくなよ。」 「えっあのツンデレ蓮大が私の心配してるの!?」 「だれがツンデレだっ!」 「蓮大、それは言い返せないとおもうよ…」 「そーだそーだ、日頃の行いのせいだよ。」 「くっ、とにかくっ!体調くずすなよ!」 「はいはい、わかったってば。」 私はそう、適当に返事を返した。 にしても、また女子から恨まれるなー…。 優斗は誰にでも優しくてイケメンだからみんなに人気だし、蓮大は不良ぽいけどときどき素直っぽさがあってイケメンだから人気だし…。 あれ、私、ここにいていいの? 「おいって、前見てあるけ!危ねえな!」 気づけば赤信号の道路に出ようとしているところだった。 「ごめんごめん、ありがとね。」 「歩きながらの考え事は危ないよ、星ちゃん。」 「ついつい。」 私は笑いながらその場の空気をながした。
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