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「世界の数字?」
ユニコが本の細い部分を見て、不思議そうな顔をした。
「これ……どんな本なんだ?」
「これは色々な国の数字が書かれた本ですね」
「……スウジ」
「そうですね。数の存在を表す為の記号、と言った所でしょうか。数の概念は分かりますか?」
「……?」
「ではこの葉っぱ」
イルは俺の空の皿にレタリーフを乗せた。
「今このお皿には葉が存在していますね」
「はい」
「ではそのお皿には何枚の葉が存在していますか?」
「……え?」
「それが“数”です」
イルが言い終えるとピョンが、俺の皿に乗っていたレタリーフを全て食べてしまった。
イルはまた新しいレタリーフをポツンと乗せた。
「この状態が1です」
「この本で言うとこの記号やさ!」
ピョンは棒が1本縦に伸びた記号を指差した。
「そして1が増えると2、さらに増えると3……という様にこの世界には“数”という概念があります」
「ふむ」
イルは自分の皿にレタリーフをどんどん盛っていく。
「そしてこの“数”を表す為に、私たちは記号を使います。それが数字です」
イルがもう1枚レタリーフを俺の皿に乗せた。
「この状態は2」
「んで、コレが2を表す記号になるってことよ」
ユニコは縦と横の棒が交差した記号を指差した。
「そうか……なら、この状態の記号もあるのか?」
俺はレタリーフを食べて皿を空にした。
「いい質問ですね」
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