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イルは立ち上がると本の近くまで歩いて行き、◯に/が刺さった記号を指差した。
「"セノ"と言います。これだけは特別で“数”かと言われると難しいのですが、何も無い状態の事を示しています」
「セノ……」
俺は本に書かれているセノの記号を指でなぞった。
「そうか……なら俺の名前はこれにする」
「え! アンタ、そんな名前がいいの?」
俺は力強く頷く。
「ああ……これがいい」
皆に伝わるように、俺はセノの記号を真っ直ぐ指差した。
「セノ! カッコいい響きやさ!」
「では"セノ"君に決定ですね!新しい名前の誕生をお祝いましょう」
イルは笑顔で手を叩いていた。
「そんじゃオイラはメインディッシュを持ってくるやさ!」
そう言うとピョンはバタバタと椅子から降り、後ろにある扉から出ていった。
「君らしくていい名前です。これからよろしくお願いしますね、セノ君」
笑顔のイルに向かって、俺は確かに頷いた。
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