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それから俺たちは氷漬けになったモニアさんが、話せるようになるくらいまで氷が溶けるのを待った。
「ささささささ寒い!寒い!!寒い!!!」
「それ程元気があれば問題なさそうですね」
イリュードさんはモニアさんに炎の瓶と温かそうな布を渡し、温かいお茶も差し出していた。
モニアさんはイリュードさんに恨めしそうな目を向けている。
「ところで、この興味深い子。私の方で預かってもよろしいですか?」
「へ? は、はい。 まあ、彼の了承があれば……イリュードさんの下にいた方が安全な気はしますし……」
ガチガチと震えているモニアさんだが、受け答えはしっかりしている。
「俺は、大丈夫です」
モニアさんが凍っている間、俺はイリュードさんとその話をしていたので準備は出来ていた。
「この子の住民登録はしなければいけませんので、近い内にまたこちらのギルドに伺います」
「あ、はい。分かりました」
モニアさんは先程イリュードさんから貰ったお茶を啜りながら言った。
「ただ、くれぐれも彼がLevel.0だという事は他に口外しないようにしてください。登録の際もLevelは伏せるようにお願いします」
「え? どうしてですか?」
「目立つと行動しづらくなるからです。それに彼の素性が分からない以上、どんなリスクを持っているかも測れませんので」
「確かにそうですね……」
モニアさんはカップを静かに彼女自身の横に置いた。
「分かりました!私にお任せください!」
「ありがとうございます。これから私の方で彼のルーツを探り、何か分かり次第ギルドにも報告します」
「あ、承知いたしました!よろしくお願いします!」
「それでは。私達はそろそろ」
「はい!色々ありがとうございました!」
モニアさんのその台詞を聞き終わるか終わらないかのタイミングで俺の目の前は青白い光に染まった。
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「うわ!ビックリした!そんな所で何してるのモニア!?てか今までどこにいたの?」
「……へ?」
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