君の面影

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綺麗な歌声が聞こえる。 まだ幼い声だけど耳に残るような声だ。 遠くでは小さい子どもらしい姿が見える。 無邪気に遊んでいて楽しそうだ。 走り回りながら笑っている雰囲気は、ここからでも見える。 ふと、辺りを見渡せば山々に囲まれた場所だ。 田畑がどこまでも広がり、家らしき茅葺き屋根の建物がちらほら見える。 心地よい風が吹き、気持ちよさに目を瞑った。 そんな時に聞こえる歌声。 ♩~~~お花に水をあげましょう。いろんな花へ。蝶々が飛んできて遊ぶのよ。目に映る景色は誰のもの?あなたの心に光が咲く~~♩ なんの歌だ? 訝しげに歌声が聞こえる方向へ身体を向けた。 小さい子どもが一人だけで遊んでいるのが見えた。 ーーーーーー女の子? なんで、一人で遊んでいるんだ。 小さい子どもは、いろんな花が咲いている中で、歌を歌いながら見ている。 摘み取ろうとはしなく、ただ見ているだけ。 その違和感に思わず足を動かした。
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