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「へんなお兄ちゃん。」
クスクス笑う顔は、アイツとまったく同じ顔。
お前も、そう言えば、そんな風に笑ったな。
笑っている女の子は、少しだけ泣いているようにも見えた。
まったく、なんで俺がこんな事をしないといけないんだか。
あまりにもアイツに似ているからなのか?
それとも。
あり得ない感情に小さく首を振った。
約束しただけだ。
アイツとの、な?
しかし、ここは景色が綺麗だし、空気も美味しい。
なるほど、アイツが気に入るわけだ。
なにやら、じっと見る視線に首を傾けた。
「お兄ちゃん、格好いい!!結衣、嬉しいな。」
真っ赤に、ゆでタコになりながらも話す女の子に、ポカンと口を開けた。
最近の人間の子どもはマセているとは聞いたが。
ま、俺で良ければ寂しくはないだろう。
あの、息苦しくなる世界よりは、たまには息抜きもいいかな。
問題は、まだ目覚めていないだけだが。
それでも狙うんだろうな、アイツラは。
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