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ロイは、両手を地面について深く頭を下げた。
「神様、俺……いや、私はあなたの言っている未来とやらを生きてみたい。叶うならば、自分が捧げた分の人生を自分の思ったように生きてみたい」
「よかろう。じゃが、一つだけ覚えて置いて欲しい事がある」
意を決したように神様は言葉を続けた。
「儂は神であるが、お前が転生した際の生まれる場所や、親などは決める事は出来ぬ。それは〝運〟としか言いようがない。もしかしたら、最悪の地に、最低な親元に生まれるかも知れぬ。それでも構わぬか?」
「生まれる地、親、それは問題ない事だ。本当であればこのまま死ぬ身。それがもう一度、転生という形で生まれ変わるという奇跡が起こるんだ。構いやしないさ」
神様は、その言葉を聞くと安心したように何処からともなく杖を取り出す。そして、顔を上げていたロイに杖を向けた。
「ロイ・クルラクニス。健やかにあれ」
ロイは光に包まれると粒となり消えた。
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