満月にバカ…

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どんっ 「「…っ」」 「龍弥さん…」 「伊織…」 お互いに顔を見たが最後、止まらない、止まれるわけがない。 こんなにも 君を あなたを 愛してる 「伊織…今夜も月が綺麗だな」 「ええ、龍弥さん…星も綺麗ですよ」 龍弥は、伊織を抱きしめたくて手を伸ばす。 「龍弥さん…ダメです」 「伊織…俺が嫌いか?」 「…そんなわけない。こんなに苦しいのに…会いたくて死にそうだった。でも…あの女性に触れた手で僕に触らないで…ください」 「伊織…?何の事だ?誰の事だ?」 「とぼけないで下さい、3ヶ月前の満月の日…あなたは女性を連れ込んで、シャワー浴びてた…って事はそういう事でしょ?」 「何の事だ?さっぱりわからない…」 「あの可愛い子ですよ。ヒラヒラのエプロン着けて…あなたの奥さんみたいでした…」 「んん?あー!思い出したぞ。あの日は君が来ると準備してたんだが急な残業で帰りが遅くなって、派遣の料理人を呼んだんだ。食事の準備して貰ってる間にシャワー浴びてた…」 「へ?料理人さん?うそ…僕…てっきり…あなたの新しい彼女だと…」 「伊織…それで俺から離れたのか?」 「だって…あなたの幸せを邪魔しちゃいけないって思って…」 「伊織…」 「龍弥さんのバカ…僕いっぱい泣いたのに…」 龍弥は伊織をそっと抱きしめる。 「ごめんな、ごめん…泣かせてごめん」 「ひぅっ、うぇ…」 「伊織…顔見せて?」 「やだ…きっとひどい顔してます。僕…勝手に勘違いして…勝手に傷ついて…ちゃんと龍弥さんと話せばよかったのに…僕のバカ…」 「伊織…でもな…こんなふうにならなければ、自分の気持ちに気付けなかったかもしれない」 「うぅー、龍弥さんなんてキライ…」 「俺は…伊織が好きだ。気持ち悪いか?」 「龍弥さん…僕もあなたが好きです。満月のあなただけじゃ足りない」 「伊織…かわいい顔して、破壊力すごいな」 「?」
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