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満月の恋人
二人は3ヶ月分のの満月を、楽しもうと龍弥の部屋へと向かった。
「あ…このお酒は…」
「やっぱり、伊織だったのか。こんな繊細なお酒を選ぶのは君しかいないと思ってた」
「これ…あの日、龍弥さんに喜んで貰いたくて、一生懸命選んだんです」
「あの子はそんな事言わなかったな」
「僕が、言わないでって。お二人でどうぞって。そういう関係だと思ったから…」
「伊織…バカ…かわいい…おいで。二人で飲もう」
龍弥は背中からそっと、伊織を抱きしめた。
「俺はあれからも満月の日は君を待ってたんだ。もしかしたら来るかも…いや、満月じゃない日にも会いたくて仕方なかった。でももしかすると君に恋人ができて、その子と満月を見てるのかと思うと嫉妬で気が狂いそうだった」
「僕も同じように感じていました。あの料理人の女性に嫉妬して。でもあなたにはお似合いだと…男の僕ではダメだと」
でも
君がいないと
あなたがいないと
月が見えない
二人の唇がそっと重なる
「伊織…俺たち、その…いろいろ勉強が必要…だな?」
「?」
「その…だな…男同士だからな?」
「?」
「だーかーらー!セックスのやり方とか…な?」
「へ?」
「伊織は、そういう意味で俺が好きなんじゃないのか?」
「ええ…ええと…いや…そういう意味で好き…です…そこまで考えてなかっただけです。龍弥さんエッチ…」
「好きならそうしたいのは、当然だ。ただ、伊織を傷付けたりしたくないから。ゆっくりな?」
「はい…僕はそういうの慣れてないので…お任せしてもいいですか?」
「伊織…それって、抱いてくださいって言ってるようなもんだぞ?いいのか?」
「龍弥さん…カッコいいから…」
ああ…伊織の無意識の煽りに股間が…いや、耐えるんだ。まだダメだ。
「でも…僕はこうやって抱きしめてくれるだけで充分です。龍弥さん…温かい」
「そうだな…でも俺は伊織を深く感じたい。ちゃんとするから…いつか俺とひとつになってくれるか?」
「もちろんです…もう!恥ずかしい…」
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