6章. ラストターゲット

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〜中国泉州〜 蛇心本部ビルの屋上に、ラブのヘリが降りた。 (最上階が依然(イーラン)の部屋です) アイからの情報がラブの頭脳に届く。 ヘリのワイヤーを戦闘スーツのベルトに繋ぐ。 軽く走って、柵を飛び越え、反転して壁に垂直に立つ。 (アイ、熱源スキャン) ラブの目を通じ、アイが内部をスキャンする。 (1人です。下2フロアに日本人女性1人、以下3フロアまでクリア) (じゃ、行くか) (ラブ様) (なに、アイ?) (おそらく、時間があまりありません) (……アイ💧) 壁を蹴り、腰からサイレンサーの付いた銃を抜き、超綱弾を連射する。 「バシュバシュバシュバシュバシュ…」 防弾ガラスを円形に貫いた。 その中心を(かかと)で蹴り抜き、中へ入る。 依然(イーラン)の位置からは、離れており、彼女は気付いていない。 「国枝さん、間もなく境界線に到達ですね」 「依然(イーラン)さん、やっと終わります。利用して貰ってどうも。マフィアのボスとして、せいぜい頑張ってください」 「知っていたのですか?」 「もちろん。しかし、マフィアとは言え、実の父と兄を殺させるとは、私には許せないことです。お返しに、仙崎辰巳に死んで貰いました」 「何ですって⁉️」 「恐らく、そこにいたら、雫さんは後を追うでしょう。もしくは、あなたを殺すか、それが日本のヤクザの妻の生き様です。お気をつけて」 通信が切れた。 「思うようには行かないものね」 「誰?」 マスクを取る。 「トーイ・ラブ❗️」 「黒龍会は、飛鳥組とは戦いません。従って、彼らを殺すことは、許さない!」 銃を取り、ラブへ向けた… が、既にラブは目の前にいた。 引き金に指を差し、撃てない様にして、そのまま腕を捻り上げる。 「クッ!」 銃を奪い、弾を床に抜き落とす。 手を離して依然(イーラン)を突き飛ばした。 「这毫无用处!太晚了(無駄よ!手遅れよ)」 「那个怎么样(それはどうでしょう)」 ラブがシステム端末に手を添える。 両手首に光のリングが現れた。 システムが目まぐるしく動く。 ラブには、触れることで、マシンやシステムと意識レベルでシンクロする特殊能力があった。 (これが解除キーね) 爆破の起動プログラムが、切断された。 「这样的白痴!(そんなバカな!)」 「蛇心はあなたのもの。あの船をどうするかは、よく考えることね。もっとも、船がある以上、今までの取引組織からの要求を、黒龍会なしでどう(さば)くか、それが問題ね」 それは、絶望的な状況と言える。 「仙崎雫さんは、連れて帰ります。では」 「バシュ!」 麻酔弾を撃ち、部屋を出て行くラブ。 3分後、仙崎雫を乗せて、ヘリが飛び立った。 日本へ。 挿絵:karoさん https://www.instagram.com/karo_01050105?igsh=MTNrdnlvcDZ0b3VvNg== 3b849b8b-7f1e-4e79-a560-07b0761534b9
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