6章. ラストターゲット

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〜新宿ヒルトン〜 玄関に赤いベンツが停まった。 「組長、お気をつけて」 「おい原田、お前は一生、神さんと呼べ。気持ち悪くて仕方ねぇ」 そう言って、迎えを振り切り中へと入る。 そこへラブからの電話が入った。 「ラブ、あんたの指示通り、今着いたところだ。おっと!」 急いで出て行く男と、ぶつかりそうになる。 (ん?あの帽子は…) ラブは、山崎蘭のことを神に話し、和解する様に頼んだのであった。 「神、国枝剣城は自殺したわ。彼の最後の標的は、山崎蘭なの!彼女が危ない、急いで❗️」 「なに⁉️ チッ!今の奴か。分かった、俺に任せろ!」 携帯をしまい、フロントに走る。 蘭の護衛が気付き、近寄ってくる。 銃を抜いて、フロントの男に突きつけた。 「時間がねぇ、山崎蘭の部屋はどこだ❗️」 「ごご、55階のタワースウィートです💦」 「悪ィな脅かして。弾は入ってねぇよ」 銃ををカウンターに置いて、抑えかかる護衛2人を軽く転がし、エレベーターへ走る。 小さな箱を持ったホテルマンが、エレベーターに乗り込み、ドアが閉まるのが見えた。 「クソッ!」 丁度別の一台が、下りてきた。 エレベーターが開き、老人夫婦がゆっくりと降りる。 どあを押さえて、降りるのを待つ。 老夫婦が軽く会釈し、ニコっと返す神。 直ぐ様入り、タワースウィートの階を押す。 閉まり際、護衛の1人が駆け込んだ。 エレベーターの中で始まる取っ組み合い。 「まて!って、おい、こら!」 待つはずはない💧 「違うんだって、待てって💦」 殴るわけにもいかず、必死でかわす神。 そうしている内に、エレベーターが開いた。 何とか振り切って走る。 小箱を持ったホテルマン。 そのドアが開いた。 「蘭❗️受け取るな、爆弾だ💣❗️」 驚いて振り向く2人。 「飛鳥神❗️」 名前を聞いたと同時に、片手で小箱を掴み取り、大きなドアを押し広げて中へ飛び込む。 もう片手で、実弾入りの銃を抜き、窓を撃つ。 「バン、バン!」 そこへ箱を投げた📦。 振り向いて、蘭の腕を掴んで抱き寄せ、蘭の後頭部に手を当て、被さる様に床に飛び伏せた。 「ドドーン💥❗️」 窓から僅か1m外で、箱が爆発した。 割れたガラスや衝撃波が部屋を襲う。 ホテルマンの前で、ドアが勢いよく閉まる。 (何とか間に合ったか) 静まるのを待って、顔を上げる神。 離れようとする神を、蘭が咄嗟に抱き締めた。 「ら、蘭⁉️」 「ちょ、ちょっとこのままで💦」 引き寄せた時、バスローブがはだけていた。 神もその感触に気付いた💦 表では、護衛がホテルマンにドアを開けろと騒いでいる。 ドアキーを挿し込み、ロック解除の音。 傷んだドアが開きかける音。 「入るな❗️入ったら殺す❗️」 その大声にドアが閉まる。 「間に合って良かったぜ。ラブから連絡もらって和解に来たんだが…、どうしたものか💧」 「た、助けてくれて…ありがとう」 「死ぬかと思ったぜ、全く。最悪の出逢いだな」 「えぇ…最悪か…いや、そうでもない」 「そうか?」 「殺し合うよりは、マシだ」 「確かに、そうだな。ハハッ」 「アハッ、ハハハハ」 何故か笑えて来た2人。 「ところで、いつまでそうしてるつもりだ?」 慌てて離れ様とする神を蘭がまた抱き寄せる。 「バカ💦目を閉じて離れろ❗️」 「はい💦」 こうして、飛鳥組と黒龍会は無事に和解した。 (のち)に神は、大阪を欄に預けたのである。
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