魔法のチョコレート工場

6/6
前へ
/6ページ
次へ
昨夜放り投げたカバンから、化粧ポーチや他のものと一緒に流れ出したように1枚の紙がはみ出している。 『 ㊗ おめでとうございます。 このドリンクを飲むと、心に思ったとおりのあなたに変わることが出来ます。大富豪であれ、スターであれ、貴族であれ、なりたい自分を想像しながらお召し上がり下さい。 ただし、一度きりですから慎重に。ふたたび変わりたい場合は、二度目の幸運をお待ちしています。                 魔法のチョコレート工場』              ♌   ♌♌♌ さっきからスマホが何度も点滅している。 相手は幼なじみだった。 そのスマホを取ろうとしているのか、鋭い爪が当たるたびにカリカリ音を立てると、その苛立ちと哀しみにもにた遠吠えが部屋中に響いた。 ガオオォホーーーーーッ・・・・                        (了)
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加