魔法のチョコレート工場

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                「わたし、なにか言ってなかった?」 通話の相手は幼なじみで、昨夜一緒に飲んでいた相手だった。なにか知っているとしたら彼女しかいない。 「会社の先輩にかなりブチ切れてた。あとは、んーーーーー・・・」と、記憶の片隅から無理矢理ひねり出そうとするような声が途切れたと思ったら、 「あぁ。そういえば、もしなにかに変われるって言われたらどうする? って、聞かれたわ」と思いもしない返事が返ってきた。 「変わる??」 「うん。それと、これから行くところがあるって」 「どこ?」 「やだ、知らないわよ。聞いても秘密だって教えてくれなかったじゃない。それも覚えてないの、サト?」 「・・全然。今朝起きたらテーブルに買った覚えもないチョコレートがあって、それも10000って表示が・・」 「なんですって! 給料日前で金欠って言うから、可哀想に思って昨日の飲み代わたしが全部払ったのよ!!」 「うっそーっ!」 「もーっ、あんたってほんと信じられない・・」 途端にプチッと通話が切れた。
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