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表現そのものについて書いた文学作品に、よく出てくる。
小説のテーマになることも多いようだ。
あと、理性的なキャラクターと、感情で突っ走る直情型のキャラクターを対比することもある。
これは永遠のテーマかもしれない。
だが、現代的ではない気がする。
情熱と理性は典型的な二項対立である。
二項対立に疑問を投げかけるのが平成から令和の時代の気分である。
数字の0や1の裏にある数を考えたり、複雑な振る舞いをコンピュータで計算したり、こういった簡単ではない問題に向き合う方が現代的だ。
単純に当てはめて考えると、情熱と理性をそれぞれ別個にできるだけ細かく分解して、情熱でも理性でもない根本的な素粒子のような要素に注目できれば、時代のパラダイムに合う。
情熱と理性は不可分なもので、もともと別個に個性として存在するわけではないはずだ。
文学で、詩的で情熱的な文章と、理性的な論文を対比することはできる。
しかし難解な詩にも理性的な理念がありうるし、論文を書くときにテーマを情熱的に書くこともありうる。
対象が流動的に変化していくことで、深い部分にある秩序を描き出すことが現代的なのである。
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