かわいいお誘い

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かわいいお誘い

 仕事の合間の休憩時間には、縁側で二人並んで日向ぼっこをしよう。  万葉の脚に頭を乗せて、俺は目を閉じる。 「えーき」 「んー?」  くすくすと笑いながら万葉が俺の髪を梳く。 「気持ちいいのは知っているけど、寝るなよ」 「んー。大丈夫、寝てない」 「でも眠そう」 「気持ちいいから」  頑なさと不自然さが消えた万葉はますますかわいい男で、最近の破壊力はハンパない。  俺以外のところで、俺の目の届かないところで、ハンパない破壊力を発揮しているんじゃないかと、俺の方が不安になる。  でも、これが万葉だったなと、思う。  甘くて穏やかで人当たりが良くて、微笑むだけでそこらじゅうの女子をうっとりさせてた男。  俺だけに甘える、かわいい奴。  ちゅ。  柔らかい物が、額に触れた。 「寝ちゃ駄目だってば」 「それすると、他のとこが起きますが」 「いいですよ」  以前は明るいところで誘ったりしたら、いろいろと理由をつけたりして逃げ腰になっていた万葉が、なんでもないことのように言う。  それでも目を開けてよくよく見れば、ほわっと耳が赤くなっていて、照れまくっているのはバレバレだけどな。  うまそうな、桜色の耳たぶ。 「誘ってる?」 「誘われてくれる?」  かわいい顔で微笑みながら、万葉が眼鏡を俺に預けた。 <END>
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