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「そんな渚に、ひとつ提案があります」
そう言って寝ていた体を起こして、ベッドに座る紫苑さん。
それを見た俺も、すぐに体を起こした。
上半身裸の男が二人、ベッドの上で向かい合って座っているって、なかなか面白い図かもしれない。
紫苑さんって細いけど、程よく筋肉がついていてかっこいいんだ。
ゆるくパーマがあてられた長めの髪がセクシーだし、ついでに声もイケメンボイスだし。
顔もちょっと日本人離れしていて、モデルみたいな美しさなんだよなあ。
思わず見とれていたら、紫苑さんがにんまりと笑った。
「俺達、一緒に暮らさない?」
「え……?」
今、なんて言った?
一緒に暮らすって言った?
「俺は明日仕事だから、今から部屋に帰らないといけない。
でも、もし一緒に暮らせたら、このまま朝まで渚を抱きしめて寝てもいいんだよ。
それって最高じゃない?」
なかなか休みの合わない俺と紫苑さん。
合間を縫って、頻繁に会ってはいるけど。
いつも帰りたくないし、帰したくなかった。
紫苑さんが帰った後の部屋って、すごく静かで寂しくて。
さっきまで会っていたのに、またすぐに会いたくなってしまうんだ。
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