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思わず、パッと視線を窓の外に逸らした。
もう何回目になるだろうか。
あの人とこうして目が合うのは……。
年齢は20代だと思うけど。
俺と同じくらいの歳だろうか。
それとも俺より年上だろうか。
ギリギリ一つに結べるくらいの長さの髪。
細身で長身で。
澄んだ瞳と整った横顔が印象的な。
とても美しい人……。
俺は朝食を食べるけど、その人はいつもコーヒーだけを飲んでいて。
おそらくこれから出勤なんだろう。
俺が彼を認識しているように。
彼も俺を認識していると思う。
夜勤明けの一番ホッとする大好きな時間に、彼と同じ空間にいること。
それも、俺にとって特別な時間だった。
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