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「ほなワイとウォームの二人で、決着付けるしかあらへんな」
「フレムはラーリング優先で構わないよ」
「だけど」
ーーと、此処で言いそうになった考えを飲み込んだ。二頭追うものは一頭も得ずと言うし、グレイにまだ利用価値があるのなら、今すぐ処分される事はないだろう。
冒頭を「それじゃあ」と言い直して、まずグレイをどうするのか決めてしまう。
「グレイを此処に呼び出しみようかな」
「彼の動向を試すつもりかい?」
「と言うか、押し付けて逃げる」
「逃げる言うたで」
そんな格好いい考えてないとばかりに俺が発言を訂正すると、間髪入れずに突っ込みを入れたストームは苦笑いを溢した。
「だって俺見習いなのに、どう考えても待遇可笑しいでしょ? なんで誰も訂正してくれないんだろ?」
「面倒やからやろ」
「それに幹部候補なだけで、扱いは僕等とほぼ同等だしね」
「新人ですけど?」
ストームに続いて問題発言するウォームに突っ込みを入れるけど、ヘラヘラと笑って改善するつもりは更々なさそうだ。鳳炎なんか、何を今更と我関せずの状態だし……。
「あ。言っとくけど、俺にグレイの正体をバラした事は秘密にしといてね」
「なんでや?」
「個人的には本人の口から聞きたかった情報だからだよ」
すると俺とグレイの仲を知る二人は、困った表情を浮かべながらも頷いて了承。恐らくグレイにバラした方が面倒な事になりそうだし、気まずい関係になられると対処が難しいと考えた結果なんだろうけど……。
俺は、素直に二人の気遣いに感謝した。
【完/漏れ出した裏事情】
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