第73話/実績と成果が齎すモノ

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 たまたまエレベーターで鉢合わせたLiderの方に話しかけれても、俺が返事する前に先約がいるからと断るし……。まぁお陰で、余計な面倒事に巻き込まれる事なく目的地に着いたけど、印象悪くなってないかと不安に思う。 「気になるんか?」 「まぁ、ちょっと……」  下階層にあるウォームの部屋に近付くにつれて擦れ違う人がいなくなり、人の目が気にならなくなったところでストームが話しかけて来たので答えた。  もっとも先約がいるのは事実なので、ストームが悪いとは思わないけど……。物珍しさによる好奇心とは、どうも異なる視線がひっかかった。  するとストームが、俺の顔色を確認するように一瞥してからテレパシーで心当たりを教えてくれる。 (恐らくフレムの口から事の次第を聞き出したいんやろ。白の領域は、フレムが救世主(メシア)を追っ払ってから出現した。見方によっては、フレムの魔法で白の領域が出現したように見えるやろ?)  ――それでか。  注目を浴びてしまうのは仕方ないけど、生活に直結するモノが手に入るかもしれないという期待。  その期待に応えると、自分の事は後回しどころか。犠牲にしなきゃならないので、協力するつもりは今んとこないけど……。あくまで今のところだ。 (まぁ心配せんでも、分布しとる範囲からして救世主(メシア)の影響やろ。百歩譲って魔法の影響だったとしても、それがWPの耳に入るとどうなるか。考えて口外(こうがい)せんと、その内リセットボタン押されるで。とは言うといたけどな) (――笑えない冗談だね)  特に時空警察は、WPPOの目を盗んで勝手な行動を繰り返してるようだから有り得る話だ。 (そうなると、施設の護り手は二人かな?) (そうやな。それに魔法しか使えへんワイやウォーターを連れて行くより、剣術が使えるウォームを連れてった方がえぇやろ) (その心は?) (危険が伴う調査に比べて施設は安全なんや。魔法アイテムの時間稼ぎで十分対策出来るやろ) (なるほど)  確かに俺の体質を考えると、尚更施設の外に出る側の方が危険を伴うだろう。そうなると、使用制限のある魔法アイテムばかり頼っていてはいられないし、使えなくなっても我が身を守れる手段を持っていてくれた方が生存率が上がるってもんだ。  そこで一足早く部屋で待っていたウォームとウォーターにその事を伝えた上で人選を提案すると、快く二人は同意してくれた。 「ほんなら、後はフレムお手製魔石の事やな」 「一度代表会議に作って見せてたわよね」 「ムグルに注意を受けてたから、WPに知られるとマズいような気もするけど……」 「大丈夫! ムグルが注意したのは、多分俺達が言う魔法とは縁の無い人に使わせたから。でなきゃ魔石をこの世界に持ち込んだ時点で有罪になるよ」
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