25人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
大変な指輪
自分の部屋に行く。
そして、机の引き出しから、あの幼稚園の時、シンちゃんが
プロポーズして、渡してくれた淡いブルーの石の付いた指輪を出した。
あたしは、ずっと、大事に持っている。
いくら子供の頃とは言え、女の子にとって、プロポーズは
特別なものなのだ。
相手のことが、好きなのかどうかはっきりわからなくても。
やっぱり、忘れられるわけがない。
シンちゃんは、忘れたみたいだけど。
そして、その時のあたしは、知らなかった。
この指輪が、大変なものであることを……。
最初のコメントを投稿しよう!