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たった一つの希望
常に、国民のことを考え、信頼の厚かったセナ国王の亡きあと、
国民は絶望し、軍部の拷問を恐れ、家族で集団自決する者たちも
出ている。
しかし、その、国民の間で、希望のある噂が流れ始めた。
幼い頃に、病死したはずの、セナ国王の息子、つまり
パール王立共和国の王子が、生きている……。
その王子が、この事態を打破し、国民の民主主義を取り戻し、
前のような、自由で平和な国にしてくれる……。
今の、弾圧されている国民にとって、それは、たった一つの
希望である。
ワイドショーは、そんな内容だった。
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