はじまりは… 🔴

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ーパチパチパチパチッ 突然、拍手の音が聞こえてきた。 音がする方を振り返ってみた。 「けー先輩!」 「よっ」 けー先輩が手を振りながら、満面の笑顔でこちらに駆け寄ってきた。 けー先輩は、カズトの両手を包み込むように握って、ぶんぶんと上下に揺らして、 「ねえ、君さ。強いね?」 「え?あ、ありがとうございます…」 普段人見知りなんてしない、どちらかと言うと初対面の人でもスッと懐に入っていけるカズト。 だけど、今はけー先輩に圧され気味で。 こんなカズト、見たことないや。 けー先輩、すごい…。 「なにか格闘技してるの?」 「えっと…むかし、柔道を少々…」 「へぇー。こんなに可愛いのに、強いからさ。すっげ、ビビったわ(笑)でも、マジかっけえな?」 あ、ヤバイ。 カズトに、それは言っちゃダメなんですよ、けー先輩! 俺はけー先輩がカズトに投げられると思い、2人の間に入ろうと動いた。 でも、カズトは頬を紅く染めて俯いて、ボソボソとお礼を言った。 え? カズトが、怒らずにお礼を言った? 「えええええーーーーー!!!」
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