君の隣で眠らせて

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そうだ昨晩は失恋ほやほやの私を慰める会を友人達が開いてくれたのだった。 そして隣で眠るこの人は飲み会の参加者の一人だった。 テーブルの端っこのほうに座っていて、途中から隣に移ってきたのを覚えている。 そこまでは思い出せた。 その後どういうやりとりがあってここに二人で寝ているのかはわからない。 何があったのか。 やってしまった!という激しい自責の念と記憶が曖昧であることへの不安に千秋はうすら寒さを覚えた。 どうしよう、何をしてしまったんだろう。 1人青ざめていると背後で人が動く気配がする。 「気分大丈夫ですか?水飲む?」 落ち着いた声のトーンがまだぼんやりとしている意識に心地いい。 「あの、すみません私、いろいろ覚えてなくて。昨日の飲み会に参加してましたよね? そしてここはあなたの部屋ですか?どうして私はここに」 矢継ぎ早に質問する千秋を見つめて一拍おいてから彼は口を開いた。
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