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18~準備は出来た?
「んで、みんな寝ている訳だ……」
ノヴァは、昼食を食べた大聖堂の牧師やらシスターやらエクソシスト達が、食堂のテーブル席やら床で熟睡しているのを苦笑いしながら言った。
「そう。
さっき厨房にあった料理に、この粉をパラパラと仕込んできたの。ちなみにくれたのは貴方のお姉さまよ。それより、はやいとこアッシュレイを見付けないといけないところだけど、ノヴァは、何か手がかり見付けたのかしら?」
「あぁ、それならバッチリさ。さっき仲良くなったエクソシストがおしゃべりな奴で、色々勝手に話してくれた。アッシュレイは、クリストファとドトグリフという二人の男に中央での出来事を今現在、事細かに話している最中らしい。
ここで言うメリットはクリストファは、ジョン牧師の直属の部下である事。っんで、デメリットは、ドトグリフがマシューの裏の取り引き相手である事だ」
ノヴァは、一気にそうエルに話すと口を閉じた。
エルは、もうすぐ沈んでしまうであろう夕日を窓から眩しそうに見つめてから腕を組んで少し考えたのちこう言った。
「実際、アッシュレイが中央での事を話している今が一番危ない状況な気もするわね」
「ああ。
どうにかしてドトグリフだけ部屋から出して俺かエルの話しをクリストファって奴に聞いて貰わなきゃ俺達は、ここで全員お陀仏になる」
……
「ノヴァ、身体を小さくする事は可能よね?」
「もちろんだが。どうするんだ?」
エルは、ノヴァの耳元でそっと作戦を呟いた。
「なるほどな、俺は囮か……」
「ノヴァ、ごめんなさい。けど、この件が全部片付いたら私は……」
エルは、そっと唇をノヴァの頬へとおしあてた。
ノヴァは、そっと離れた唇があった場所へ手を当てて顔を真っ赤に染めながら
「俺、絶対死ねないな……
まぁ、もう死んでるけど……」
などと、アホな事を呟いた。
ー☆―☆ー☆ー
ノヴァは、小さな姿に戻って黒い翼を広げエルへコクリと頷いてみせた。
「悪魔がいるわよ――――ッ!!!」
エルが、ドトグリフの部屋の前で大声で叫んだ!
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