06~酔っぱらいの戯言

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06~酔っぱらいの戯言

 エリックからの依頼は今中央に幽閉されているアッシュレイという名の男を安全な場所に脱出させて仲間のエクソシスト達の集まる施設にうまいこと匿らせて来て欲しいとの事であった。 アッシュレイは、カトリック教会の大御所との繋がりを持っておりエリックからの強い頼みで聖職研修生としてマシューの監視をしていたのだが、一週間前から魔女からのスパイ容疑で捕まっている。 大御所との繋がりがあることで今の所は拷問などの類いは免れているが、いつ奴の手がかかるか危ういらしい。 インプは、 「大御所との繋がりがあるならマシューの罪を暴いて捕まえちまうことが出来たんじゃね~のかよ。奴が神とエクソシスト達を利用してやりたい放題やってるのは明確なのだし……」 っと、テーブルに行儀悪く足をかけながら言った。 「インプの言う事は、最もなのだが……事は、そんなにあまくはないのだよ。マシューは、今や中央カトリック教会を牛耳ってしまうほどの威圧感と戦力を持っているんだ。しかも、周りも奴の罪をわかっていながら見過ごすばかり。最近では、一緒になって拷問などを楽しむやからまで出てくる始末だ」 エリックからは、怒りと焦りの色が見えているがそれをぐっとこらえているようである。 エルは、 「このままでは、マシューの罪を暴いて大御所達に伝達するどころかその前にいらぬ罪でアッシュレイは殺されてしまうっと……しかし我々が助け出してはマシューの思うツボなのではないか? 私は、魔女なのだし」 っと、エリックに問うた。 「こんな事もあろうかと思って俺は、君達二人の事は実は既にカトリックの大御所方に伝えさせて貰っているから彼らエクソシスト達と合流してしまえばこちら側にも勝機はあるのだが……」 「おいっ! ちょっと待て、エクソシスト達に俺の事も教えたのか?!」 インプは、焦って言った。 「いや、二人は人間としてちゃんと俺の大切な方々だと報告してますのでばれぬようにお願いします」 っと、エリックはさらりと聖職者にあるまじき事を言った。 「「マジか……」」 エルとインプは、そう言ってエリックって実はとんでもなく頭のきれる奴なんじゃね……っと思った。  床や壁がひんやりと冷たくなってきて夜も深まってきて、三人はまだ使えそうなこの部屋の暖炉に火をつけて暖をとり寝袋に包まれながら結局朝方まで旅の話しやあった事を好きなように話して盛り上がった。 「エルは、またそんなむちゃくちゃをしたのかい?!」 エリックは、苦笑いしながらインプに訊いた。 「エリが、むちゃするのはいつもの事だが……俺は、速く契約すませてエルを嫁にしたいんだよ。エリックの旦那ぁ……」 インプは、情けない声を出してエリックに何とかしてくれよ~っとジリジリと寝袋の中だと言うのに気色悪い動きでせめよった。 「くだらん事言ってないではやく寝ろよ、お前ら……」 エルは、すでにインプ達の事などどうでも良いのか数分後には、寝息が聴こえてきた。 「……エルは、冷たい」 インプは、エリックに頭をよしよしされている。 『この、酔っぱらいどもめッ!』 エルは、思ったが黙って寝たふりをした。 何時間も林道の中を歩いて正直くたくただった。そのうち インプやエリックの話しも耳に入らなくなり本当に眠りに 落ちていった…………
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