プロローグ

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プロローグ

 カトリック教会の地下。  地下では、エクソシストの制服をまとった集団がまだ十にも満たないような少女を、手足を動かせられぬよう縄で吊し上げていた。 少女は、尋ねた。 「マシュー様何を言ったら良いのか教えて下さい……私がどんなことをしたのか、私には全く身の覚えがありません」 マシューが 「エルヴェラよお前は、すでにこのマシューひきいるカトリック教会から追放することが決定している。カトリックに背くことをしたのであろう、お前がしたことを詳しく言え」 っと、低い声で言った。 「何を申しあげてよいのか……ヴッ! あぁ、許して下さい。そうです。致しましたですから、縄を緩めて下さい。でないと、腕が折れてしまいます」 「……お願い……」 ―☆―☆―☆―  今からたった数百年前。 狂気のごとく吹き荒れた嵐。 この時代、人々はと言う 一つの共同幻想に酔いしれていた――…………。
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