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宴の夜の語らい(五)
あたふたする様が可笑しかったようで、晴道が声を上げて笑った。
「いや、俺は家と縁を切ってるから。それに、生家の身分だって今は名ばかりさ。畏まらなくていいぞ……まあ、つまり何が言いたいかというと、俺たちみたいな者を快く思わん連中もいるってことだ。それにな、誰彼構わず心を砕くお前のような性分じゃ、この仕事は辛いだろう」
だから、わざわざ村を出て酷な道に踏み入れる必要はない、と。
「急ぐ旅じゃないし、ここに何日か居させてもらえるなら、その間に怪異への対処法くらい教えてやるよ」
ところが、陽次郎としてはそれでは満足できかねる。
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