宴の夜の語らい(六)

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宴の夜の語らい(六)

「怪異に毅然(きぜん)としていられないのは、おれが彼らのことよく知らないから。そのせいで、すぐに気持ちがぐらついちゃう。さっきの晴道さんを見て、色々教えてほしいと思ったんだ」 「だから、それは村にいる間に、だな」 「でも、また旅に出たら、もう戻ってこないでしょ?」 「……お前、見かけによらず食い下がってくるな」  言われて、陽次郎は唇を尖らせた。 「……格好いいと思ったんだよ、本当に」 「ん? 格好いい……ってか?」  僅かに声の調子が変わったので、陽次郎は、おや? と思う。そこで、さらに言葉を加えてみた。 「うん、とっても! おれも晴道さんみたいになりたい」  そう(たた)える声は、どうやら、晴道の気持ちを動かしたようだ。 「うーん、そりゃあ、ちゃんと学べばお前も強くなれるかもしれんが……よし。じゃあ、こうしよう」
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