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数日後、再び同じ定食屋へ足を運ぶ。
以前と全く同じメニュー表に、僕は前回のエビフライを思い出し、少し惚ける。
しかし、今回は前回の反省を活かし、生姜焼き定食にした。
豚肉の生姜焼きであれば、ソースも無いので奇数であることに悩むことも無いはず。
そう思って安心していたら、してやられた。
お皿の隅に、マヨネーズが乗っている。
……油断していた。
確かに、たまに有る。生姜焼きにマヨネーズを付ける風習は、たまに有る。
僕は豚肉の枚数を数える。
薄切りのロース肉が、5枚。
……5枚。
マヨネーズを付け始めるタイミングは、3枚目なのか、4枚目なのか。
僕はまた迷う。
マヨネーズを付けると、必然的に味は濃くなる。つまり、先にマヨネーズを付けると、その後で付けずに食べると間違いなく物足りなくなる。
一度マヨネーズを付け始めてしまえば、もう、後戻りは出来ない。
そうなると、一体どのタイミングでマヨネーズに寄り添うのかが、とてつもなく重要なのだ。
僕はまた、何らかの天啓が下ることを待つしかない。
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