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2.そして、エメラルド・ナスカルディアはその親友である
「ルビー様、それぐらいにしておいたほうがいいのではないでしょうか?
」
年の割に完成された丁寧語で言う金髪の少女は、エメラルド・ナスカルディア。
翡翠の瞳が特徴的な、ルビーローズに負けず劣らずの美少女である。
赤髪に琥珀眼のルビーローズとは対極的に、押しに弱そうで、目じりの下がった顔をしている。
「いいのよ。賤民なんかわたくしたち貴族の糧となるべきなのよ。だからわたくしたちに仕えられて幸せだと思うべきなの!」
ルビーローズが更に桃髪の少女を痛めつけようと、スカートが舞い上がるほど大きく足を上げ――
「きゃああぁぁっ!」
「ルビー様!?」
ルビーローズはすっころんだ。
もう派手っ派手に仰向けに転んだ。
足を上げた時だろう。ただでさえ高いハイヒールを履いていたその足は、バランスを失い派手な音を立てて転んだ。
ばたりと倒れたルビーローズに、近くのメイドが駆け寄る。
「……きゅぅ。」
「きゃー!ルビーローズ様が!」
きゅぅ。と一声、ルビーローズはそのまま気絶した。
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