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私はようやく彼氏ができ、これから結婚という時にひとつ屋根の下で真相は分からないが俳優と言うスエヤンと一緒に暮らすなどあり得ない。
あのスエヤンに恋愛感情なんて湧かないが、それでも外から見たら同棲に思われてしまうじゃないか。
「分かった。私がリビングで寝るから」
そう言って立ち上がろうとしたがスエヤンに腕を掴まれた。
「一緒に寝たい」
悲しい目で言う彼に幼いあの頃のスエヤンが重なる。
抱きしめて頭を撫でてあげたい衝動にかられながらも私は彼の手を離した。
「ごめん。私お付き合いしている人がいるから」
そう言うと彼はベッドから起き、何も言わずにリビングに移動した。
なんだか心が締め付けられる。これは申し訳なさからなのだろうか。それとも別の感情でもあるのだろうか。
翌日は休日だったのでゆっくりと寝ているとなんだか焦げ臭いにおいが立ち込めてきた。
フラッシュバックのように何かを思い出す。
半分焼けた家、佇む私。
一体何だったのだろうか。
家が焼けて住めなくなっていたことは聞いているが、あれはリアルな映像なのだろうか。それとも聞いた話から想像したイメージなのだろうか。
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