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何を言っているんだ。私の記憶がないから遊んでいるのか?
拾った男子と恋に落ちるという話は溢れているが、たまたま拾った男子が元フィアンセなんてあるのか?
私が知らないだけか?
いや、どちらにせよ、そんなものは架空の物語だけの話であり、そんなこと現実では天文学的確率じゃないか。
私、騙されている?
どこから?
この人もしかして瑞樹さんのそっくりさん?
だとしてもスエヤンというのは確実だ。どうする私、どうする?
悩んだ結果というか、押しに押されまくり、現在私は自分のベッドの上に寝ている。しかも隣にはスエヤン。
「てか、なんで隣に寝てるの?」
私は居ても立っても居られず上半身を起こした。
「だって布団ないんだろう」
「そうだけど、やっぱりおかしい」
小学生だった頃はスエヤンの方が恥ずかしがって私と寝なかったくせに、何故こんなに成長して距離ゼロミリ、つまりくっついて布団の中に寝転がっているんだ?
「あぁ、こっちの方がいいか?」
そう言ってスエヤンは私が寝るはずの場所に腕を伸ばす。まるで彼氏が腕枕をするかのように。
「だから違うって」
「何が」
「何もかも」
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