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私がムッとした表情を見せると眉毛を寄せて困った表情を見せた。
くっそ。可愛いって得だ。
「いいよ。また作ってくるから」
瑞樹は顔全体で幸せを表した。
須田屋軍陥落です。全面降伏しかないこの可愛さ。このままでは心も体も彼女の虜になってしまいそうだ。
私は取ってきたケーキを食べて席を立ちクレープを作りに行った。
あの可愛さは反則だ。もう惑わされないようにしなくてはと思いながらサラダを入れていると後ろから気配がして振り向こうとした瞬間、顔の横から瑞樹の顔が出て来た。
ど、ど、どあっぷ。
これ以上曲がらない程に顔を逆方向に向けながら私は冷静な態度を取った。
「なに? 何かいるの」
「甘いクレープ食べたい」と耳元で囁かれるとなんだか恥ずかしくなり耳が真っ赤になる。
瑞樹は女、瑞樹は女だと心で唱えて心臓のどよめきを抑える。
「分かったから離れて」
瑞樹は離れる間際に私の耳にふふっと息を吹きかけた。それは笑っているだけだろうが、なんだか大人な遊びに思えて体中が反応する。
何やってんだ、私の体。
こんなおこちゃまに何を考えている。
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