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千佳は俺の事が本当に分からないらしい。
2週間一緒にいても気付かない。
ある意味それはそれで良かったのかもしれない。
一人の大人の男として千佳が俺と出会ってどうなるのかとても興味があった。
ここ2週間忙しくてまともに千佳との時間も取れず、ストレスが溜まっていた俺は最大限に仕事を巻いて時間を作った。
帰ってくると千佳はいなかった。10分程度千佳に連絡するか迷っているとようやく戻って来た。
部屋は見違えるように綺麗になっているが、千佳は相変わらずだ。ボサボサの髪は一応お風呂に入っているので抑えられているが着ているものは変わらない。
初めて知ったがバッグもないというありさま。
千佳に出かけるために俺の服を着ていいと言ったら男用の服を着るという想定外の展開になったが、可愛い恰好の千佳を期待していた俺は千佳と言う人物を勝手に作り上げていたことに気付いた。
これでこそ千佳なのだ。
今日はもう無理だが、今度何か千佳に似合う物を買ってやろうと思いながらスイーツブッフェに向かった。
俺のストレス発散法は甘いものを過剰摂取することだ。
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