瞳の奥には

林進

「いったい誰なんだ？お前は？」

俺は携帯電話を握りしめていた。

いつもの通勤の時間いつもの電車を駅のホームで待っていた。いつもと変わらない朝の光景だった。

それなのに名前も知らないどこの誰かから電話が掛かってきた。

たぶん俺の事を知ってる誰かに俺は命を狙われている。

この会社の中にたぶん。

いったい誰なんだ？あと、あと五年で定年退職を
迎える俺の命を狙っているのは？

俺は今まで上司に仕事の期待をされて上司の望む
仕事をしてきた。

俺は部下にも慕われる人気者だった。

妻ともこの会社で知り合った。　
妻の誕生日には必ずプレゼントをして会社が休みの時には必ず家族を旅行に連れて行った。
近所の人はみんなマイホームパパだと俺の事を誉めていた。

会社で俺は会社の女子社員からイクメンと言われていた。

毎日俺はたくさんの女性社員からからもてていたそして「林さん好きです。付き合ってください」と言われた。

俺はそんな女子社員を全てを断って妻と結婚した。

勿論浮気なんて一度もした事がない。

それなのに何で？何で？

俺の携帯に度々掛かってくるんだ。
声を変えて……。

「お前を許さない。絶対に許さない呪ってやる」

「今までの恨み復讐してやる」

この電話番号に俺は身に覚えなんてなかった。

俺は間違いなく誰かに命を狙われている……。