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空き家
笠倉警部と捜査員は署から聞いた空き家に向かった。
斎藤警部も署から同じ事を聞き、空き家に向かっていた。
空き家の側には署に連絡してきたと思われる
60歳位の女性が立っていた。
笠倉警部はその女性に尋ねた。
「あなたが署に連絡してくださった方ですか?
隣の空き家でいいんですか?」
60歳位のその女性は言った。
「はい、そうです。女性の方の悲鳴が急に聞こえなくなりました。早く助けてあげてください」
笠倉は
「わかりました」そう言うと他の捜査員と一緒に
そっと空き家に入った。
「犯人がいるかも知れないからな静かに、油断は
するなよ」そういいながらそっと空き家の中に
入って行った。その時、一つの部屋からドスンドスンと音がした。
「みんな気を付けろよ。犯人がいるかも知れないからな」
捜査員はそっとその扉を開けた。
笠倉警部は言った。
「写真の女性に間違いない。倒れているのは
林由利香さんだ林進の奥さんに間違いない。
すぐ救急車だ~早く救急車を~俺は空き家の周りを調べてみる。まだ犯人が居るかもしれない。
たぶんそう遠くには行っていないはずだ」
林由利香は誰かに殴られたように頬が腫れていたり顔や腕が傷だらけだった。
笠倉警部は空き家の周りを調べたが犯人らしき
人物にはたどり着かなかった。
林由利香は近所の関屋総合病院に搬送された。
笠倉警部と斎藤警部も関屋総合病院に向かった。
その病院こそ関屋光彦が働いている病院で院長は
関屋光彦の父親の関屋修一だった。
斎藤警部と笠倉警部は病院に着くと林由利香が
手当てされている処置室の前で待っていた。
気を失っている林由利香は病室が整えられるまで
処置室のベットに寝かされていた。
処置が終わったばかりの時、担当医が笠倉警部と
斎藤警部に近づいてきた。
担当医は二人に言った。
「私が担当医の関屋光彦です。由利香をあんな目に遇わせた林進を許さない林が由利香を大切にしていれば、由利香がこんな事にならなかったはず、家を出て行かなかったはず、由利香に聞いたところ由利香に毎晩のように暴言や暴力を振るい。
娘さん達にも暴力を振るっていたそうですね。
私は林進を絶対に許さない」
笠倉警部と斎藤警部の二人は関屋光彦に言った。
「えっ?あなたが関屋光彦さん?ここの葉薬局の
防犯カメラに林由利香さんと一緒に映っていた男とは違う。光彦さん林由利香さんと家族ぐるみだということは?ここの葉薬局に林由利香さんや由利香さんの娘さん達と一緒に買い物をした事は?
由利香さんの恋人だと言うことは?」
斎藤警部と笠倉警部の二人は関屋光彦に聞いた
「確かに私は由利香と高校生の時バイト先で
知り合って付き合っていた。
私が大学を卒業したら結婚しようと約束もしていた。それなのに彼女は好きな人が出来たと言って私は振られたんです。こんな事なら諦めるんじゃなかった。あんな林と結婚するってもっと早く
わかっていたら絶対に反対していた。
林の事は調べているでしょう。
最悪なみんなの嫌われものだと言う事を、弟を林と同じ会社に私は働かせて由利香が幸せかどうか?調べてもらっていたんです。彼女が好きになった人は会社の人だと聞いていたので、彼女はその人と結婚したいとまで言っていた」
笠倉警部は言った。
「じゃあ彼女からみっちゃんと呼ばれた事は?」
関屋光彦は言った
「彼女からそんな事言われた事はありませんよ。
僕の事はいつも光彦と呼んでいましたからね。
僕は弟からいろいろ聞いていたので電話で相談に
のっていました。そして僕は彼女にプロポーズした。僕は君を幸せにしたいからと言って……。
でも彼女は新しい彼が出来たと言って断ったんです。林と別れてその人と結婚すると……。」
斎藤は聞いた。
「新しい彼とは?誰なんです?弟さんが調べてくれていたんですよね?」
関屋光彦は言った
「あの会社の機械製図室にいる機械製図室の上司
南部長ですよ。ここの葉薬局にはかつらや髭を付けて変装して行ってたようですがね。
何故なら南部長は既婚者だから奥さんにばれると
困るからですよ。
私は由利香にあいつはやめろと言ったんだ。
でも娘も懐いているし、彼を愛していると言って聞かなかった。南は由利香をもて遊んでるんです。それに南はこの事件とも何か関係してるはずです。たぶん」
斎藤は聞いた。
「じゃあ、みっちゃんと呼ばれているのは?」
関屋光彦は言った。
「みっちゃんと彼女が言っていたのはあの会社の
南部長ですよ。南のみをとってみっちゃんと
呼んでいたんです」
斎藤と笠倉は聞いた。
「それじゃあ関屋さんあなたはただ相談にのっていただけなんですね?ところで由利香さんはいつ頃よくなりますか?」
関屋は言った。
「はい、そうです。相談に載っていただけです。
彼女の怪我は一ヶ月くらいはかかると思いますが~怪我も酷いですし~」
斎藤警部と笠倉警部は
「そうですか~では何か分かりましたらこの名刺に書いてある電話番号に電話かけてください。
いつでもいいので」
二人は名刺を渡して一時、署に戻ることにした。
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