相談

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相談

林進は深夜鳴り響いていた電話のせいで寝不足だった。 「眠い~。謹慎中じゃなければ仕事に行くのも 辛い。とりあえず佐々木警部と佐藤警部に電話をかけて深夜の電話の事を話そう。 あんなに深夜の電話が鳴り響いていたんだ留守電にしてあるし、犯人の声が聞こえた。きっと犯人がわかるはず」 林進は佐々木警部に電話を掛けた。 何度も掛けたが佐々木警部が電話に出る事はなかった。林進は次に佐藤警部に電話を掛けた。 ところが佐藤警部も林の電話には出なかった。 「いったいどういう事なんだろう?二人とも出ないなんて?忙しいのだろうか?そうだ今から直接警察署に行って佐々木警部と佐藤警部に相談してみよう」 林進は自転車で佐々木警部と佐藤警部が勤めている警察署に向かった。 自転車を30分くらい走らせると佐々木警部と 佐藤警部の二人が勤めている警察署に着いた。 林は受付で二人を呼んでくださいと頼んだ。 受付の女性は血相を変えて 「少々お待ちください。二人の上司を呼びますので、すぐ来ますので絶対にここにいてくださいね」 林はどうしたんだろう?あんなに慌てて林進は  仕方なくその場でしばらく待っていた。 その時、エレベーターから体格のいい警官が林に向かって真っ直ぐに近づいてきた。 「お待たせしました。率直に聞くけど、佐々木と 佐藤の事を知っているんですか?もしかして君が 林進君なのか?」 林進は答えた 「はい、そうですが~」 体格のいいその警官は林に言った。 「ここで話すのもなんですから個別相談室で私も いろいろ話さなくてはいけない事がありますので、よく来てくださいました」 林はいったいどうしたのだろう?と不思議に思ったが体格のいい警官の後をついて行った。 「こちらです。どうぞお入りください。 そちらのソファーにお座りください」 そう言うと体格のいい警官は受付に電話を掛けた 「悪いけど個別相談室のAの部屋にお茶を二つ 頼む」そう言った。 体格のいい警官は林に名刺を渡して話を切り出した。 「私は佐々木竜介と佐藤勝利の上司の風間良介と 言います。実は二人に急に連絡が取れなくなったんです。今日の朝も二人とも出勤していない。 林進さんに会うと行ったきり帰ってこないんです。二人がどこにいるか?ご存知ないですか?それに何で林さんの自宅に行ったんでしょうか?」 林は詳しく風間良介という警官に話し始めた。 「聞いてないんですか?うちが荒らされていた事?住宅街に自宅を荒らして何もとらずに猫のシールを置いて行く愉快犯の事、そして会社での事?」 林が詳しく事の詳細を話し終わると 風間は言った。 「確かに愉快犯の出没は全国で相次いで猫のシールも置いて行く。でも、この街では一度も出てないんですよ」 林は 「えっ?女の愉快犯が捕まったっていうのは?」 風間は言った。 「愉快犯はまだ捕まってませんよ。それに捕まったとしてもそんなに警官はべらべら女が捕まった なんて言いませんよ。そうだあの二人の同期の親友もここに呼ぼう何かわかるかもしれない」 風間は二人の同期で親友だという笠倉幹夫を電話で呼び出した。 しばらくして笠倉幹夫と名乗る男がこの部屋に入って来た。そして林に言った。 「よかった無事だったんですね。僕は止めるように言ったんだ。だからたぶん身を隠したんだと思います」 林に風間は言った。 「どういう事なんですか?」 その時、女子警官二人がノックもしないで中に入って来た。 「風間警部大変です。横領されてたんですよ。 佐々木警部と佐藤警部に……もしかしてそれで逃げてるんじゃないんですか?」 風間は 「笠倉君どういう事なんだ?」 笠倉は話し始めた。 「もう、隠してはいられませんね。実はあの二人はギャンブル好きで借金ばかりしていたんです。そして二人の横領に気づいた私は止めるように注意をしたんです。  でも、二人は借金で首が回らなくなって止めようとはしなかった。だから横領したこのお金で借金を返すと言っていたんです。 それから二人は何だか元気が無くなっていったので、私は反省したんだと思っていました。 ところが二人は私に言ったんです。 「親友だから話すけど、実はある人に頼まれたんだ。林進を殺してくれたら二人の借金を返してあげる」と。 誓約書まで書いたと言っていました。 そして印鑑も押したと。印鑑を押したあと小さく 書いてある文字に二人は気付いたと言っていました。その文字は……。 もし約束を破ったら二人の命はないって書いてあったそうです。  それで、たぶん二人は身を隠したんだと思います。そして林さんの自宅を荒らすように命じたのもその人らしいです。私も探しているんです。 友人として心配なんです。二人は警察官として人を殺す事はできなかったんだと思います」 風間は 「それじゃあ、あの二人も林さんも危ない。 林さん警護を今からつけますので心配なさらないでください」 「ありがとうございます」 林は恐ろしくなった。 人を使ってまで俺の命を狙っている奴がいる……。 いったい誰が?そこまで俺の命を狙っているのは 誰なんだ? もしかしたらこの警察の中に、まだ第二の佐々木と佐藤がいるかもしれない。警護任せても大丈夫なのか? 林はこう言った。 「本当に警護を任せても大丈夫なのでしょうか? 疑うわけではありませんがやっぱり心配なんです。警護はお断りします」 風間は 「そうですか?第二の佐々木と佐藤が出るんじゃないのかと心配なんですね。わかりました」 林は 「済みません私は謹慎中なので、家に帰ります」 風間は 「わかりました。笠倉君送って行ってあげなさい」  そう言って笠倉の車で自宅まで送ってもらった。 風間は女子警部と体格がいい男性警部に林を遠くから警護するように命じた。  林を自宅まで笠倉は送ると林の自宅のドアを見て驚いた。広告の裏に許さないと書いてある紙がたくさん張ってあるのだ。 笠倉はドアに貼ってある紙を剥がす作業を林と一緒にしていた。  ドアに貼ってある紙を全部取り終わった時、 笠倉は言った。 「この紙持ち帰っていいですか?指紋を取って犯人を突き止めます」 林は笠倉に 「わかりましたお願いします。留守電に記録されている深夜の電話聞いてもらえませんか?」そう言った。 笠倉は林の自宅の中に入り、留守番電話の録音されたものを聞こうとした。 そして林は電話の録音機能部分を押した。 ところが録音されているはずの声が全て消去されていた。 「これは?どういう事なんだ?いったい誰が?」 「鑑識を呼びましょう」 「林さんが警察に来ていた時の留守を狙って自宅に犯人は不法侵入して録音したものを消去したのです。犯人は林さんのすぐ近くにいる人間そしていつも見張っている人間。見張っていなければ林さんが外出したことすらわからなかったはず……」 笠倉は林に一言いった。。。 林進は震えが止まらなかった。 「俺のすぐ側に犯人がいる……いったい誰が」 林は周りをみていた。
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