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鑑識
しばらくして林進の家に鑑識が五人ほど来た。
鑑識班のリーダーの山本卓郎を筆頭に指紋が留守電のところや自宅全体にあるだろうと思い必死に調べていた。そんな時、山本卓郎がタンスから指紋をとっているとタンスの下に血が着いていることがわかった。
「これは?誰の血なんだ?こ鑑識の血痕を調べよう」
鑑識班は指紋の照合と血痕を科捜研にまわすと
林に言うと「では私達は早速署に戻って調べますので」
そう言って帰って行った。
笠倉は林に聞いた。
「タンスの下の血痕に心当たりは?昨夜はこの血痕ありましたか?林さんここで一人で暮らしてるんですか?」
林は答えた。
「妻からは、この通り離婚届が郵送されて来たんですよ。だから今私は一人で暮らしています。血痕は心当りはありません。昨夜はなかったです。
そのタンスが愉快班に倒されたあと私はそのタンスをなかなか元に戻さなかった。そして深夜電話の音が煩くて眠れずにいたので、邪魔なタンスをもとに戻したのです。その時はそんな血痕なんてなかった」
林の言葉を聞いて
「そうですが~わかりました。ならやはり林さんが警察署に行っている間に何か事件がこの部屋で起きていたはず……林さんここにいてください。
近所に聞き込みに行ってきます。この血痕と何か関係があるのかもしれない?言い争いを聞いた人が居るかもしれない」
笠倉が林の自宅を出ようとすると、笠倉の携帯電話が鳴った。
笠倉は、携帯電話で話し始めるとかなり驚いた表情をしていた。
「な、なんだって?佐々木と佐藤が?そんな、何であいつらが?何で!わかったすぐ行く。」
そう言って笠倉は携帯電話を切った。
「林さん本当はあなたの自作自演じゃないんですか?もし、そうなら私は絶体にあなたを許さない
私はこれから現場に行くことになったので、
また明日来ます。本当に心当たりがないか?考えてみてください。」
林は言った。
「待ってください。私は何もしていない。信じてください。自作自演なんてしてない。」
笠倉は何も言わすに林の自宅を出て行った。
次の日のニュースで林は佐々木竜介と佐藤勝利が近くの大水公園の池で浮いていたという事二人とも既に亡くなっていたということがわかった。
池の策が古くて壊れかかっていたので足を滑らせたらしいとニュースで言っていたが二人も同時に足を滑らせるのはおかしいと笠倉は不信感を抱いていた。
そして、林はまた不利な立場になっていく……。
その池の側には林の健康保険証が落ちていたのだから……。
警察はだんだんと林の自作自演を疑い始めていた。
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