警察

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次の日の朝、テレビで佐々木警部と佐藤警部が亡くなったというニュースを見ていた林は驚きを隠せなかった。 「いったい誰が俺を殺そうとしているのか? 佐々木警部と佐藤警部は俺を殺さなかったから 真犯人に俺の代わりに殺されてしまったんだ。 誰が?何で?俺の命を狙うんだ?」そんな事を 考えていると玄関のチャイムが鳴った。 林は嫌な予感がしたが玄関のドアに手を掛けて 「はい、どちら様ですか?」そう声を掛けた。 「警察署の者だが家宅捜査令状が出ています。上がらせてもらうよ」 林がドアを開けると…… 五人ほどの警察官が家の中で何かを探していた。 「証拠は出たか?」 「斎藤先輩これは?」 「林進貴様を警官殺しの容疑者として署で話を聞く簡単な着替えを持って同行してもらうよ」 「午前9時林進容疑者確保」 林進は両手に手錠をはめられ警察の車に乗る事に なった。 「何で?僕は被害者だ!何もやってない。本当に何もやってないんだ!」 近所の人は口々に林を見てこそこそ話していた。 「やっぱりね~あの人はいつか何かしでかすと思っってたよ」 「あの人ならやりかねないよね」 「奥さんも出て行って正解だったよ」 「怖いわね~あんな人とお隣同士だったなんて」   「引っ越そうかしら?」 わ その話を聞いて 「斎藤先輩僕はここに残って近所の人にもっと 詳しく事情を聞いてみたいと思います」 斎藤警部は 「わかった。じゃあ笠倉は残って話を聞いてきてくれ何かわかるかもしれない」 林は笠倉に話した。 「笠倉さん私はやってないんだ。本当にやってないんだ信じてください。笠倉さん……笠倉さん」 笠倉は振り向かずに近所の人の側に行った。 警察署に連れて行かれた林は取調室に入った。 斎藤孝司警部と名乗る男に林はすぐに言われた。 「林進!君は大切な同僚の佐々木警部と佐藤警部を殺したんだね。正直に言いなさい」 林進には全く身に覚えがなかった。 「私は殺ってない。本当なんだ信じてください」 斎藤の 「林!嘘をつくんじゃない。佐々木警部と佐藤警部が池で浮いて亡くなったのは知っているだろう その死体の近くにお前の保険証が落ちていたんだよ。何で落ちていたんだ?」 「えっ?俺の保険証が?何で鞄に入っているはずの……」 「これの事かな?」 「俺はあの公園に行ってない。行ってないんだ。信じてほしい」 そんな時、女性警官が取調室のドアを開けた。 「斎藤警部ちょっと」 取調室の出入り口で女性警部と斎藤は何かをこそこそ話しているようだった。 「なんだって?それは本当なのか?」 「本当です」 斎藤警部は林に話した。 「林進~君は奥さんまで殺したのか?部屋にあった血痕は奥さんのものだったよ。僕が察するに君は 皆から嫌われている為いつも孤独だった。  その辛さから奥さんに暴言を毎日のように吐いていた。君は佐々木警部と佐藤警部に妻を殺してくれと命じた。  林君は約束を破った二人を殺し、妻を殺した。一ヶ月の謹慎も妻を殺すためにでっち上げたんだな!まだ他に仲間がいるんだろう!自作自演だというなら話が合うんだよ。  奥さんは生きているのか?それとも殺してどこかに埋めているのか?どうなんだ!林」 林は 「違います。本当に深夜には血痕がついていなかったし、あの公園には行ってない」 斎藤は冷たく言った。 「深夜に近所の人は聞いているんだよ。君の大声を君が煩い静かにしてくれ誰なんだ?煩い。そう言ってタンスにものを当てる音を」  林は言った。 「それは深夜に鳴り響く電話が煩くて、そして電話に出た時に怒鳴ったその声ですよ」 斎藤は言った 「でも、留守番電話に録音されてなかったと笠倉警部に聞いている。家を荒らされたのも目撃者は誰もいないし、愉快犯もこの街には出ていない。林、 お前の自作自演だろう正直に言え!」 厳しい取り調べが続いた……、 林は言った 「あの愉快犯が自宅を荒らした日は、隣街でお祭りをやっていました。だから妻も友人の家に泊まりがけで出掛けると行って家を出ていたんです。大きなお祭りで近所の人がうちを荒らされていても目撃者がいないのはそのためなんです。私はまさか妻が実家に行っている事は家が荒らされた次の日に知ったんです。本当です」 斎藤は冷たく言った。 「実家も調べさせてもらったよ。確かにはじめは実家にいた、でもね。荷物を取りに一時林お前の家に戻ってから帰って来ないと奥さんのご両親は娘さんの事を心配してたんだよ。君の自宅から出てきたこのメモはなんだ?俺は妻を殺すために計画をたてた。そう書いてあるんだよ。家宅捜査で見つけたメモだ」  林は 「そんな筈は?そんなメモは知らない。妻も うちに来るなら何で?離婚届が郵送されて来るんですか?変ですよね?自宅で直接私に渡せば済む事だし、私は本当に何もしていない。たぶん誰かに私は、貶められているんです。信じてください」 斎藤は 「君は会社からも近所の人からもみんなに厄介者 扱いされていた。だから周りを憎んでいたんだろう?逆恨みしていたんだろう?孤立していたんだろう?正直にいいなさい、殺ったんだろう? 奧さんはどこだ?どこにいるんだ!」 林は言った 「私は皆とうまくやっていた。近所でも、会社でもだから孤独じゃないみんなに好かれていた方だと思う」 林は斎藤警部にそう話した。 取り調べは毎日のように続いた……。
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