弁護士

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取り調べは毎日のように続いた。 斎藤孝司警部と笠倉幹夫警部は林にこう話した。 「林、君の会社の機械製図室の上司の南さんや 後輩の牛田さん 関屋さん 向島さん 東さん  川口さん 高松さん 高島さん、君が最近までいた部署の人に一人一人個別で話を聞いたよ。 警察をなめてもらっては困る。 みんな言っていたよ。君とは関わりたくない。 部下を無能呼ばわりしてさんざん暴言を吐いていた君はミニ爆弾のようなものを作ってこんなの簡単に作れる俺は化学科で優れた大学に入って資格まで持っている優秀な人間なんだからな君達とは違うと言ってたようだね。 それに新人教育係にまわされた時、君は俺みたいな優秀な人間がなんで新人なんかに教えなければいけないんだ?とさんざん新人教育係に行くのを嫌がっていたそうじゃないか?伊勢社長が困っていたよ」 林は少し観念した様子で 「そんなに私は皆から嫌われていたんですか? 誰からも好かれていなかったんですか?」 そう斎藤警部に聞いた。 斎藤は 「これは男性社員みんなの声だよ。 暴言を吐いていた林君には困っていたという話さ。新人の男性社員にも暴言を吐いていたそうじゃないか?  でも、不思議な事に君は暴言を吐く人間じゃない人なんて殺せないそう言って君を心配している人が大勢いるんだよ。それは女子社員だ。 女子社員には人気があったようだね。 奥さんとも会社で知り合って結婚したようだから……女子社員10人はみんな同じ事を言ってたよ。重たいものを持つ時に林さんがいつも 手伝ってくれた。 上司から叱られた時、慰めてくれた。 飲み会の帰りに寒がっていたらジャンバーを貸してくれた。大掃除の時、機械の掃除を手伝ってくれた。毎日のように話しかけてくれた。 コーヒーをおごってくれたなどとても優しくしてくれた。奧様がいなければ私は告白していたかもしれないと」 林は涙を浮かべながら言った。 「そうですか~僕にも味方がいたんですね。 よかった。たった一人でも味方がいてくれると 嬉しい者ですね」 斎藤孝司は更に話を続けた。 「でもね。君は近所の人からも評判悪かったんだ。みんな日頃から奥さんに罵声をあげている君の声を聞いているからね」 林は 「そんなはずない、そんなはずない僕は旅行にも 奥さんの誕生日にはプレゼントも買ってあげるほどのマイホームパパなんだ、お酒を家で飲んでるからなのか?覚えてない記憶にないんだ~」 斎藤は言った 「娘さん三人のところに部下を向かわせて、君の事を聞いてきてもらったよ。君は三人の娘さんにも暴言 暴力を奮う父親だったんだね。でも、旅行やプレゼントをしてくれる。だから三人とも我慢していた。 でも、父親から早く離れたくて三人は早く結婚したと言ってたよ。君はマイホームパパじゃない。 ただの支配者なんだよ。自分の非を認めるんだな!」 林は 「わかりました。でも、僕は殺ってない。殺ってないんだ本当なんだ」 斎藤は言った 「覚えてないんじゃないか?お酒のせいなんじゃないか?」 林は一言、斎藤警部に言った。 「弁護士をつけて下さい。本当に……本当に私は 殺ってない。殺ってないんだ……」 林は涙を溜めて斎藤警部に訴えた。 斎藤は 「わかった弁護士を君につける手配をしよう」 そう話した。
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