200某年、8月

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『その子』って...俺、23歳ですけど?年相応の顔してるでしょ? そもそも言ってきた相手にしても、30いってなさそうな男だった。 鮮やかなブルーのスーツがインパクト有りすぎで。 それが似合ってるのが更にすご過ぎて。 清潔感が服着て歩いてますって印象だ。 なんかもう、シュッとか、キリッとか。 そういう形容しか出てこない。 そいつはチャーハンを注文してきた。 イケメンって、チャーハン食っててもイケメンなんだなぁ......。 とか、感心していたところだった。 熱でボーッとしてたせいもあるだろうけど。 「昼休みに昼食を取りに来たお客たちは、さばけたようですし。 もう休ませてあげないと気の毒ですよ、ずっと辛そうだ。 僕の会計が済んだら、早退させてあげてください」 男が言うとおり、ようやく店が混む時間帯は過ぎたところだ。 「いや、あの......」 そういうわけにもいかないのはコチラも承知でして。 つか、それを客が指図することですかい? と、おもったところに、店主のオッサンが割り込んできた。 「そうですね!そうします!おい貴雄(たかお) おまえもう帰れ」 「は?」 なにその変わりよう?さっき帰す気なかったじゃん!
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