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目覚まし時計の単調な音で目を覚ました。気怠げな朝だ。月曜日。二日間の休日から、人々が失望しながら、嫌々と起き出す午前六時。勿論、僕もそんな国の常識に逆らわないように、嫌々布団を取ろうと腕を少し動かそうとした......。
でも、何故だろう。
いつもより身体が重くて、痛い。
......あれ。
自分の手が何かを握りこんでいる。
糸のような細いものだ。
手をゆっくり開いた。
開いた瞬間、何かが引き戻された感じがして、あの時と同じ悪寒が全身を伝わった。
部屋の扉を煩く叩く音が聞こえた。
その音を聞きながら、僕は現実から視線を逸らした。
僕の手の中には、黄金の毛が数本、収まっていた......。
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