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「なんだ?何も起きない?」
ふと周りを見渡す。
誰一人として微塵も動かない。
修練場にある噴水の水も動かない。
全ての物が停止をしていて、ラクスは自由に動くことが出来た。
「ウロボロスの力とはこれの事か...?」
ウロボロスの力は時を停止することが出来る力であった。そしてこの力は属性の分類が無いため、無属性の力である。
つまりラクスは雷属性と無属性を扱える竜王へとなったのだ。
3秒ほど経過しただろうか。
突如全ての物が動き出す。
配下達はキョトンとしている。
「えっと。竜王様?今何かされたのですか?」
そう言って心配そうに見ている。
「あぁ...。まだ少しウロボロスの力は扱いが難しいようだ。」
ラクスはそう言って配下達には黙っておくことにした。
竜人には力を継承することが出来る秘伝の極意がある。竜人でもごく一部の者しかこの秘伝であるが、万が一この力が奪われ悪用されてはならないと考え竜王のみが知るべきと判断したからだ。
「さて、ひとまず感覚は掴めたから我が子達を見に行くとするか。」そう言ってラクスは修練場を後にした。
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