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息子から出ている魔力の元を探る。
魔力が漏れ出ているのは目のようだ。
竜界では産まれつき自身の中に竜を持って産まれてくる。そして基本一人一竜が原則である。稀に二つの竜を持って産まれてくることがあるが大半は上手く使いこなすことは出来ない。その竜を従えることで竜の姿になれる竜化や竜を自身の身体に纏わせる竜装することが出来る。
竜王には継承時に特別な竜を授かる。竜王初代の力で名はウロボロス。しかし原則一人一竜のため、竜王になった後で継承したウロボロスはまさに異物。過去最強と言われるラクスですらウロボロスの本来の能力の一割程度しか使用することが出来ない。
「ちっ。こんな時にウロボロスの力が使えれば...。」悔しそうな表情で息子の顔を見る
息子の目をよく見ると黒目の代わりに竜が自分の尾を噛んでいるような紋様がある。竜王を引き継いだラクスには見覚えのある紋様だった。
それは紛れもなくウロボロスの紋様。この息子には恐らくウロボロスが宿っている。ラクスには確信を得た。
しかし、早くなんとかせねばウロボロスの魔力に息子が押しつぶされて死んでしまう。それだけは何としても避けたかった。
初めての自分の子供。明らかに才能の塊である息子を助けるには……。
「仕方ない。これしか無いな。」そう言ってラクスは息子に向かって魔法を使った。
その瞬間先程の凄まじい魔力は息子へと収束した。
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