2.夢と現実

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2.夢と現実

中学生になった私は、かなり荒れていた。 父の妹は看護師でバツイチ子持ちだったが 病院の先生と結婚をし、先生の実家に嫁いだ。 祖母は毎日の不摂生がたたり 脳内出血を起こして右半身麻痺になった。 父が早くに気づかなければ亡くなっていただろう。 すぐに異変に気づいて病院へ連れていった。 助かった祖母は帰ってきた時、別人のようだった。 顔は表情がなく、いつも怒っている。 私は祖母に可愛がられていたけど 病気を境にいじめの対象になってしまった。 祖母の妹が遊びに来る度に嫌味を言われたり 物を投げつけられたりした。 「おばあちゃんより継母の方が好きなんだろ」 「おばあちゃんが買ってあげたものなんで使わない」 色んなことを言われた。 でも私は祖母が大好きだったから我慢してたけど だんだんその気持ちは恨みに変わって なんで私が言われないといけないのか。 大人のやることがますますわからなくなった。 継母に虐待されることの方が辛かった。 だから、祖母にいじめられてるとわざと告げ口をした。 継母のイラつきの対象が祖母に向けられると 私にはとてもやさしくなった。 中学校では不良の先輩に可愛がられていた。 家庭環境が悪いもの同士が集まって悪さをする。 不良あるあるだとおもう。 近くのコンビニで先輩たちが万引きをしていたのを 私は気づかずについて行っていた。 私は小学生の時、1度だけ本を盗んだことがあって その時の罪悪感が半端なかったから 二度とやらないとおもっていた。 パシリにされることも無く、先輩たちといて楽しかった。 先輩たちが卒業するときは沢山の制服をもらったし 寂しくて泣いた。 親友もいた。 だけど何故か喧嘩わかれしてしまって グループが別れた。 のちに仲直りして親友に戻るけど、 大人になった今は連絡もあまりとっていない。 この頃、タバコも吸い始めた。 自分の体なんてどうでもよかった。 小学生のころに好きだった男の子はそろばん塾の 私より頭の良い同い年の子だった。 お互い好きで交換日記をしていた。 初めて私が付き合った子。 純粋でプラトニックな関係。 私の初恋はキラキラしていた。 中学校ではひとつ上の先輩を好きなった。 体育祭の応援団長で一目惚れ。 仲間の先輩たちに協力してもらって 教室に連れてきてもらったりして 何度と告白したけど尽く振られた。 それでも先輩が卒業するときに 制服のボタンをもらえたし ちゃんと振ってくれたので優しい人だったと思う。 私はまだちゃんと人を好きになれていた。 純粋でキラキラしてて素敵な恋。 それから数年でそれが変わってしまった。 16歳で男を利用して生きてく術にしていく。 私の最悪な、後悔してももう取り戻せない そんな日々が訪れる。 私の夢はもう完全に破壊され 現実の中で冷静に自分をみていた。
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