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3.ロストバージン
中学を卒業して高校へ進学したけど
行きたくなかったから、簡単に行ける高校を選んで
後悔をして1週間で退学をした。
その時、初めて父に怒られた。
当時、毎日借金取りが来ていた。
祖母が作った1000万の借金を父と継母が支払っていた。
いつもお金がなくて8枚切りのパンを買うのに
お金をかき集めて買って食べていた。
食べるものがなくて父が腐った雑炊を食べて
食中毒になったこともあった。
とにかくお金がないし、借金取りは毎日来るしで
高校へ行くなんて出来るわけもなく
継母に、行くなら自分で全部お金を出せと言われていたから
中学を卒業してすぐにバイトを始めたので
高校をやめてもとりあえず働くところはあった。
借金取りの相手は私がした。
継母は借金とりがくると、私に出るように頼んできた。
子供が出たほうがしつこく言われないからだ。
最初は怖かったけど、ああいうおじさんたちは
子供には優しい。お嬢ちゃんも大変だねと仲良くなれた。
継母がいろんなところで嘘をついていることも私は知っていた。
すごく頭のいい人でプログラマーだった継母は
会社を経営していたけど、他人のカードを不正に使って
会社も倒産し、本当はそのせいで引っ越しを余儀なくされたけど
私のせいにしていた。
「あなたが喘息だから空気のきれいなところに引っ越そう」
たしかに喘息だったけど、私は真実を知ってる。
でも言わなかった。それを言ったら継母じゃなくて
父に捨てられると思ったから。
そんな生活は本当に嫌だった。
体罰的な虐待は終わったけど、精神的な虐待が始まった。
もう限界だった。父にも言えなかった。
毎日毎日追い詰められた。逃げ場所がなかったし
相談できる大人もいなかった。
そんなとき、付き合った人と初体験をした。
相手は継母の知り合いの子供で私より7歳年上。
とても大人でかっこよく見えて好きだったけど
彼も家庭に問題があって結局別れてしまった。
初体験のときのことを思い出そうと思ったけど
なんとなく痛かったぐらいしか思い出せない。
幸せだったとか相手を愛おしいとか思わなかった。
私の初体験はあっけなく終わってしまった。
友達に相談して家出をすることにした。
しばらく友達の家に行くことに。
心を休ませたかった。逃げたかった。
なんで私だけこんな思いをするのだろうと毎日思ってた。
友達の家に行くと、今度は当時流行り始めていた
援助交際をするようになった。
とにかく手っ取り早くお金を稼がなくては。
お金さえあれば一人で生きていける。
あんなつらい思いするぐらいなら男にやらせて
お金をもらったほうがまし。
初体験を済ませていた私は、そこに感情はなかった。
テレフォンクラブとかを利用して
感じのよい男を見つけてホテルへ行く。
大抵、1万~3万ぐらいもらえた。
危険な目にあったことはなかったけど本当に危なかったと思う。
いつどうなってもおかしくなかった。
やっている最中はなにも感じなかった。
気持ちよくもないし、イクこともない。
ただ入れて終わり。それでよかった。感じたくもなかったし
お金がもらえれば自分の体なんてどうでもよかった。
そんな日々を1か月以上続けていた。
一度、友達の家に父と継母が迎えにきたけど
私は何度も家出を繰り返した。
こんな私じゃ、かわいいお嫁さんにはなれない。
だれもきっと愛してくれない。
本当は誰かに愛されたいけど、諦めていた。
16歳のまだ大人にもなっていない私。
体も心もボロボロで恋することもなく、
毎日を淡々と生きていた。
私を抱く男達を軽蔑していた。
馬鹿な男。
だけど一番馬鹿なのは私だ。
それに気が付いたのはまた恋をしたときだった。
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